ダイハツ工業は8日、「補助金を見込んで訪れた顧客に迷惑をかけないため」(広報担当)、販売店への支援金支給を決めた。販売店が独自に行う値引きなどの原資とする。「まもなく補助金終了」とアピールしたテレビCMも打ち切った。日産自動車も週明けから補助金に言及するテレビCMを取りやめている。
富士重工業は5日までの購入客に最大10万円の返金を保証してきたが、その後は系列販売会社が独自の取り組みを行っている。東京都内全域を販売エリアとする東京スバルは、保証期間を23日まで延長。「商談中の顧客もおり、駆け込み需要で盛り上がっている拡販の機会を逃したくない」(営業担当者)ためだ。
三菱自動車系の関東三菱自動車販売は、9月末までに新車登録した場合、補助金相当額の一部を補てんするなどの対応をとる。マツダ系の関東マツダも、今月中に新車登録が完了すれば、最大10万円分の追加装備品を提供。独フォルクスワーゲンの日本法人は、9月末までに購入し11月末までに新車登録すれば1台当たり10万円を実質値引きする。
メーカーや販売店が補助金終了後も独自の値引き策を行うのは、補助金をあてにして購入を決めながら、予算残額の急減で受け取れない人が相当数出ると見込んでいるためだ。
各販売店では9月に入り、「新車を購入したが補助金は間違いなくもらえるのか」などの問い合わせが増えている。「予算がなくなれば補助金がもらえない可能性がある」と説明しながら商談を進め、一部では同意書をとっている販売店もあるが、「出血でも値引きをせねば、客の不満が募る」(都内の販売店)ことを懸念した。
自動車各社は10月以降、駆け込み需要の反動で一時的な減産を余儀なくされる。トヨタ自動車や日産の国内工場では、9月に比べて10月の生産が2割程度減る見通し。ホンダは10年度下期の国内販売計画を当初見通しから1万台超引き下げた。
反動減を最小限に食い止めようと、トヨタは10月以降、販売店に1台5万円の販売奨励金を支給する。ホンダや日産は新車投入を拡販の起爆剤と位置付け、「少しでも(補助金終了の)影響を和らげたい」(日産の田川丈二執行役員)という。
しかし全体として販売減は避けられそうになく、景気に与える負の影響も懸念されている。直嶋正行経産相は「何らかの応援措置として(エコカーの)普及促進策を議論している」と述べ、追加支援策を検討する考えだが、財政難のなかエコカー補助金のように6000億円近い規模の支援策の実施は難しい。各社は「10月危機」をどう乗り切るか頭を悩ませている。
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